ダイナースクラブ(Diners Club)は、アメリカ合衆国を中心に全世界で展開するクレジットカード、又はこれを運営するアメリカ企業である。
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創始期
1950年にアメリカのニューヨーク市で設立された世界最初のクレジットカード会社である。「創業者が食事に出かけた時、財布を忘れて支払いが出来なかった。支払い能力があるのに恥ずかしい体験をした。彼は、友人の弁護士とともに、現金を持たなくても支払いが出来る制度を考え出した」この体験が創業の動機だとされているが、当時の広報係であったM.シモンズが
カードマーケティングのために創作したフィクションである(ルイス・マンデル著「The creditcard industry:A History」日本語訳『アメリカクレジット産業の歴史』ISBN
978-4818810976 より)。最初のカードは紙で出来たスタンプカード風の形状の二つ折りで、「T&Eカード(トラベルandエンターテイメント)」という名称であった。
シティグループ傘下に
2000年にダイナースクラブは全世界的にシティコープ(現シティグループ)によって買収された(同時期にアメリカの老舗のカード発行会社であるカルテブランシェ/Carte
Blancheも買収された)。アメリカ及びカナダ両国では、シティコープがダイナースクラブとカルテブランシェを買収した事により、VISA(シティ)/カルテブランシェ・マスターカード/ダイナースクラブと4大ブランドの発行権・開拓権を保有する事となり、まず、カルテブランシェとダブルネームのダイナースクラブカードが発行され、それが発展して2004年末頃から北アメリカ地域ではダイナースにマスターカード(カルテブランシェ)が一体化した、新しいダイナースクラブカードが発行されている。それに伴って同地域で既存のマスターカード加盟店では、世界中で発行されたダイナースクラブカードが利用出来る様に整備されつつもある。
日本におけるダイナースクラブ
日本においては、シティカードジャパン株式会社(CCJ)がダイナースクラブに関する事業を行っている。
歴史
日本交通公社と旧富士銀行が共同で、1960年に「日本ダイナースクラブ」を設立した(日本でのクレジットカード発行企業としては、丸井に次いで2番目で、クレジットカード企業としては日本初)。その当初から1990年代のバブル景気時点まで、日本に居住する外国人や日本人の富裕層(入会資格として自家保有の役職者-外資系企業や大企業の管理職や医師・弁護士、一定以上の規模の企業の経営者など-で一定の年収が有る者)を主なカード会員(客層)にして事業を行っていた為、入会のハードルが多少緩くなった現在でも、一般的なゴールドカード以上の上級カードとして認識されている。2000年のシティコープによる買収によって、日本ダイナースも「シティコープダイナースクラブジャパン」に社名変更し、予ての出資会社であったJTBや富士銀行等との提携関係やサービスは薄れ、外資系らしい国際色豊かな新たなサービスを導入して行く。その後2004年12月13日に会社分割しCCJが事業を承継したが、同時期を境に従前のような手厚いサービスがなくなり、質の低下から上顧客といわれる富裕層会員が減りつつあり、プレミアムカード導入のきっかけとなった。しかし、そのプレミアムカードも対抗するアメリカンエクスプレスカードのセンチュリオン、プラチナと比較して担当デスクの質の低さや提供されるサービスの質が悪いことから会員離れに歯止めがかからなくなってきている。それに比べ以前より普通カードの入会基準がかなり低く設定されていることから現在は上級カードとしての認識は薄れた。
日本におけるダイナースクラブカード
プロパーカードは、ダイナースクラブカード及びダイナースクラブプレミアムカードの2つが発行されている。米国とは異なり、券面にMasterCardのロゴは描かれていないが、米国及びカナダでは
Diners Club の加盟店に加えてMasterCardの加盟店でも利用する事が出来る(国内専用カードを除く)。
ダイナースクラブカード
一般のカードであり、券面はシルバーで統一されているが、ショッピング限度額が事前に設定されてないなど、グレードは他社におけるゴールドカード、またはそれ以上に相当するとされている。券面に「International」表記の有るカードは海外のダイナースクラブ加盟店での使用も可能である。年会費は税別1万5千円。
ダイナースクラブプレミアムカード
ブラックカードであり、券面は薄い黒地(グレー)にホログラムで世界地図が書かれており、ロゴマークは白色である。同じブラックカードであるアメリカン・エキスプレス・センチュリオン・カードより枚数が断然少なく、ステータス面では1番であるとされる。入会資格は一定の地位や資産を持つ者に限られ、更にダイナースクラブカードの利用実績によってインビテーション(招待)を受けた者だけが所持できる。会員は社会的地位のある人が多く、ただ決算額が多ければ所持できるカードではないとされている。プレミアムデスクへ電話することにより、旅行やレストランの予約、商品の検索などの様々なサービスを受けることができる。また、ダイナースクラブカードに比較して付帯保険も手厚くなっており、ポイント付与での優遇もある(100万円利用ごとに2倍になる)。2007年度よりサービスの改定が行われ、旅行デスクの受付時間短縮、クラブ・イン・クラブの廃止などマイナス要素の目立つ改定となった。
日本における提携カード
日本における提携カードは多岐にわたるが、このうち、企業や大学(同窓会組織等)が提携し、その従業員や関係者に発行するカードは、社員や卒業生などの条件を満たすことで信頼が証明されることから、プロパーのダイナースクラブカードよりも入会資格(通常33歳以上など)が緩和されている。
クレジットカード会社との提携カード
エムエイチカードサービス株式会社、ちば興銀ユーシーカード株式会社、共立クレジット株式会社、京銀カードサービス株式会社、肥銀ワールドカード株式会社及び株式会社オリエントコーポレーションと提携したクレジットカードをそれぞれ発行している。これらは、CCJが発行する提携カードである。
国内専用カード
日本で展開するホテルと提携し、当該ホテルの会員に発行される会員証に日本のダイナースクラブの加盟店で利用する事が出来るクレジットカードの機能を付与している。年会費は、ニューオータニやパレスホテルなどの場合は無料であるが、ホテル西洋銀座の場合は1万2千円または3万円である。通常のカードと異なり、ポイントサービスは無いが、入会資格がプロパーのダイナースクラブカードより若干緩和されている。
ポイントサービス
ショッピング利用1万円毎に1ポイントが付与される。但し、Edy及びモバイルSuicaのチャージ並びに東北電力及び関西電力の料金はポイントの対象外である。
ポイントの有効期限はない。
ダイナースカードに関する話題
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